EMG

さて、久々の筋電図です。基本的な回路と動作については、伏田くんが報告してくれています。今回は、右手と左手の前腕部に電極を配置して(下図左)測ってみることにします。両手共に真ん中の電極は、一本にまとめてPatientGNDにつなぎます(下図中央)。回路は2系統用意します(下図右)。まだブレッドボード上で、電源は2セルのリチウムイオン電池です。初段の計装アンプLT1167は基本的に両電源が必要なので、通常は2セル合計7.4Vとして使うところを、+-3.7Vとして使っています。LT1167で増幅されたEMGは、次のLMC6484で、整流化とスムージング処理を受け、Arduinoでも扱いやすい0-5Vの値に変換されます。

20150505-171003-61803100.jpg 20150505-171004-61804714.jpg 20150505-171003-61803908.jpg

Arduinoは0-5Vしか読めず、測定値が-になると変化が追えないので、NIのUSB-6008(ADコンバーター)を使ってチェックを行います。正しく動作すると、下記のようになります。ピンクが右手、オレンジが左手です。この回路はノイズが乗りやすく、PCは電源を外し、近隣の電化製品もすべて電源OFFで測定していますノイズが混入した場合は、ノイズも整流化→スムージングされて、筋電位がないにもかかわらず、あたかも電位が発生しているかのように表示されます。筋活動がなくても、出力値がある程度高い場合は、ノイズの混入を想定したほうがよいでしょう。スムージングまでまとめてやってくれるのは良いですが、生波形が見えないのはこういうところが怖いですね。

emg

さて・・・。前回動作チェックをした時、①初段のLT1167から筋電位を検出できない②次のLMC6484から出る整流化波形が、変なところに出る(本来0Vを中心に出るはずなのに、+0.9Vほどカサ上げされた値が出る)などの問題があって、「???」となり、作業を断念した。今回の調査から判明した結論として、上記症状を呈するLT1167とLMC6848は破損している可能性が高い。新品にすげ替えると、設計通りに動作するからだ。たしか手塚さんが、「一回逆につないだ」と言ってたような・・・。おそらく問題は電源部分で、+-を逆につなぐと、IC達が死亡するものと思われる。なにせ用途が用途だけに、これは絶対に避けたい。よく注意してとかそういう問題でなく、逆刺し防止用にコネクタをちゃんとつける電源をリチウムイオン電池からチャージポンプ回路のマイナス電源に変えて逆刺しのダメージをなくす、などの工夫が必要なようだ。ともかく原因がわかったので前に進める。良かった・・・

20150505-171005-61805590.jpg

(↑壊れたICたち)

コメントを残す