「3年ゼミ」カテゴリーアーカイブ

ダーツ中の皮膚温を測る

1.ストレス・リラックスと皮膚温

末梢循環のうち,特に手の指の血流は,精神的な現象との関連が古くから調べられてきました。この部位には,交感神経によってコントロールされている細い血管が多数集まっており,ストレス時には血管が収縮することで,血流量の現象,皮膚温の低下が認められます。一方で,眠い時やリラックスしている時は,交感神経活動が低下することで,この部位の血管は拡張し,血流が増加し,結果として皮膚温が上昇します。このような性質を利用して,指先の皮膚温は,緊張-リラックスの手がかりとして,心理学で古くから用いられています。皮膚温は,他の生体反応に比べ簡単に測れるのが特徴です。手作りの安価な計測器(下左図)を使い,センサーの装着もテープではりつけるだけなので簡単です(下右図)。

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2.ダーツ練習中の皮膚温(平均的な変化)

下記は,10名のプレイヤーが,1m20cm離れた的に向かって,1人でダーツを行った際の皮膚温の変化を平均したものです(値は100倍されています)。0-120秒はダーツを行う前の安静状態(閉眼),120-240は,ダーツプレイ中,240-360はダーツ後の安静状態(閉眼)となっています。安静時には皮膚温の上昇が認められますが,ダーツ中は,0.5℃程度の皮膚温の低下が見られます。赤色で示された環境温は,23℃~24℃へと徐々に上昇を示しているため,皮膚温の低下は,なるべく良い点をとるようにダーツ課題に集中した結果と考えられます。

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下記はダーツをしている時の様子です。

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3.ダーツ練習中の皮膚温(個人の変化)

前述のグラフでは,平均で0.5℃程度の皮膚温低下と述べましたが,皮膚温の変化には大きな個人差があります。下記は,平均皮膚温を算出する際に用いられた10人の,個別の皮膚温変化です。多くのプレイヤーは,ダーツ開始後の120秒過ぎあたりで皮膚温が低下し始め,ダーツ後の安静時に再び皮膚温が上昇しています。しかし,player2とplayer6は,皮膚温が環境温に近く,冷え性の可能性が考えられます。ただし,どちらのプレイヤーも,ダーツ後には皮膚温が上昇しているため,実験者の前でダーツを行う事に対し,極度に緊張してしまった,つまり緊張しやすいタイプである可能性も考えられます。一方で,player5やplayer7は,まだダーツ中なのに,緊張が抜けてしまい,皮膚温が上昇し始めています。このような人は,ダーツに慣れている,またはリラックスしやすいタイプである可能性が考えられます。

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4.ダーツ競技中の皮膚温(人前での対戦)

(準備中)

5.ダーツ競技中の皮膚温(トーナメント戦)

(準備中)

データ:Addarts150628

専門演習で計測した皮膚温

1.自己紹介時の皮膚温
ポータブル皮膚温同時測定器は、4人同時に皮膚温を測れるので学習にはもってこいだ。あとは、どういうプログラムで学習するかを定めるだけだ。ややベタではあるが、ゼミ内で二人一組になってもらい、自己紹介をしてもらった時のデータを掲載する。実験スケジュールは、子供用に作成した用紙にしたがって行った。前安静3分→自己紹介4分→後安静3分の計20分で、30秒おきに参加者非利き手人差し指の皮膚温を書き留めた。前安静で徐々に皮膚温が上昇し、課題で低下し、後安静で上昇するという傾向はあるものの、前安静から低下しっぱなしという人も多い(前安静から、自己紹介で何を話そうか考えている?)ため、全体としては下記右側のようなグラフとなる。やはり真の安静は課題後に訪れるという門地説は本当のようだ。

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上図左側は個別グラフなのだが、

田原・鈴木→課題が嫌で予期不安も強いが、終わってしまえばすっかり忘れられる
吉田→課題中も皮膚温が上昇し続け「緊張しないの?」と聞きたくなる
小築→課題中は不安だが、課題前や課題後は何も考えないでいられる

などのような性格も現れているように思える。再現性もあるように思え、下記はダーツ中の脈波振幅(つまり血管の収縮度合い)だが、鈴木さんも田原さんも、自己紹介で皮膚温を測った時と笑えるほど一緒だ。

st

2.すごろく課題時の皮膚温
こちらは、授業で毎度おなじみの皮膚温すごろくを実施した結果だ。こちらはあまり安定した結果ではないように思える。最低でも、誰がどこであがったのかわかるようにしなければ・・・。あとは、グループによって測定時間が異なるので、どうやって平均値をとればいいのか分からないのも問題だ。。。大丈夫かなー、子ども大学もダーツにしちゃう!?

sugo

・・・すごろくでもやはり、吉田くんは緊張が一切みられない。。。

エクセルファイル:enshu_temp